ウィングセール破損

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ソフトバンク・チーム・ジャパンは昨日、バミューダ諸島のグレイトサウンドで、規定上限の風の中、AC45S艇にてテストセーリングを行いました。その最中、ウイングセール(硬質翼)の一部が破損し落下するという事故に見舞われましたが、ケガ人はおらず全員が無事でした。

破損したウイングセールは、来たるアメリカズカップ本戦に使用される予定のものでした。そのウイングセール後部、三分割されたフラップの一番下の部分がもぎ取られました。

「今日は20〜23ノットの風の中、非常にシビアにレース艇を走らせていました」と話すのは、チームCEO兼スキッパーのディーン・バーカーです。「ちょうどオラクル・チーム・USAとアップウインド(風上航)の走り合わせをしている時に、大きな音がしてウイングフラップの下部が壊れ、その主要部分が後方に吹き飛ばされたのです。幸いにもクルーは誰一人としてケガをすることなく、私たちはそれ以上破損が広がる前に、無事にベースキャンプに戻ることができました」

この日は、強風下でレース艇のデザイン的な限界をテストできるまたとない日でした。テスト中に破損したことで、次のアメリカズカップに向けて、強風時に最高の性能を引き出すためには、ウイングセールのコントロールシステムをどう微調整すればいいか、チームのデザイナーたちはユニークな答えを導き出してくれるでしょう。

「このような問題が今のタイミングで起こったことは良いことです」とバーカーは続けます。「私たちがレース艇にもっと慣れて、さらに強風下で走らせれば、レース艇にかかる加重がますます大きくなります。限界はどこなのかということを見極めることは、来年の成功に結びつく重要な部分となるでしょう」

すでに2017年5月に始まるアメリカズカップ・クオリファイヤーズまで8カ月を切っており、チームはレース艇のデザインパラメーターを決定しなければならない時期にさしかかっています。チームにとって、極限レベルでテストできる機会はもうそれほど多くないはずです。

「問題が起こったことと同様に大事なのは、問題を正しく分析するために、すべての映像とデータに目を通すことです。性急に間違った結論を出すことは、良くない決断に繋がる可能性がありますからね」(バーカー)

ウイング格納庫で2つの作業を同時進行しなければならないソフトバンク・チーム・ジャパンのショアチームメンバーにとっては、眠れない夜が続きそうです。

彼らは今週末のテストセーリングに間に合うように予備のウイングセールの準備をしながら、できるだけ早く、破損したアメリカズカップックラスの下部ウイングフラップを建造しなければならないのです。

「幸いにも、今週末にはまた海に出られそうです」とバーカーは言います。「良い風が吹いている日を何日か逃すことにはなるでしょうが、大きなロスなく開発プログラムが続けられそうだと分かり、うれしく思っています」